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WOW20th Anniversary Movie Logo 社内コンペティション Vol.5

『R-G-B-C-M-Y-K』by大賀頌太

Vol.5 は、大賀頌太(おおがしょうた)による『R-G-B-C-M-Y-K』をご紹介します。

 

大賀頌太 / おおが しょうた(Director / Designer)
『Mercedes-Benz Fashion Week』『JIMMY CHOO JAPAN EXCLUSIVE STAR STUDS MADE-TO-ORDER』『TBS連続ドラマ 永沢君 オープニングタイトル』などに参加。

 

ー『R-G-B-C-M-Y-K』のコンセプトを教えてください。

WOWは「ビジュアルデザインスタジオ」なので、静止画も映像もやっていく上で一番重要な「色」をテーマに、RGBとCMYKの表現に挑戦しました。シンプルな薄いディスクが転がり、最終的にWOW20のロゴにある、黒い丸に落ち着くようにしています。

 

ー着想はどんなところから得ましたか?

舞台や学校に置いてある照明で、赤と青のセロハンが重なったとき、光の色が紫になっていたことを思い出したんです。それを光ではなく、影で再現してみたのが今回の試みでした。現実の事象をCGで表現するのは可能なことですが、本当にそのまま再現できるかは、実際にやってみるまで分かりませんでした。この映像は、ほとんどレンダリングしたままの状態にも関わらず、影の色の重なりがそのまま再現できました。

 

 

ーみどころを教えてください。
影の色の重なりです。物体は重なると、CMYKと同じように黒くなっていきます。ディスクが転がることで、偶然生まれた色の重なりや、混ざり方を見てもらいたいです。

 

ー苦労した点は?
後半の転がるシーンは、それぞれのディスクが当たってしまわないよう、手付けでどう転がるのかを書き、それに合わせて転がるようにしているんです。手付けの作業は、少しでも修正すると別の場所がズレてしまうため、カメラとの兼ね合いを考えながら調整していきました。CGの作業としては一番やることが多かったので、大変でしたね。

 


 

ーディスクには質感が感じられますね。
フラットで、デコボコや傷のないディスクだと、CG上ではくるくると回っていても、「転がる」ではなく「滑る」ように見えてしまうんです。質感があるように見せられれば解決できるだろうと思い、ディスク自体にグラデーションを加えました。そのお陰で回転しているように見え、透明感のある質感も出すことができました。 実は冒頭のカットが最後に作ったカットで、個人的には一番上手くできた部分なんです。もっと時間があれば、最初に作ったカットも同じくらい上手くできたかなと。なので、見る人によっては、カットごとにクオリティの差を感じるかもしれませんね。

 

ー通常のフローで、好きな作業はありますか?
作業よりも、企画を考えている方が好きですね。特に企画を作る上でのリサーチは、自分がやりたいことを想像しながら、「どうしようかな」と考えられるので、一番好きです。

 

ーどんなリサーチをしているんですか?
テーマを決め、そのテーマにまつわる単語を調べます。ただ一つ、自分が過去にやった「同じネタを使い回さないこと」をルールとして決めています。たまに自分の首を絞めるときもありますが(笑)。あと、リファレンスでは動画ではなく、静止画を引っ張ってくることが多いですね。

 

ー静止画はどのように集めているんですか?
「Pinterst(ピンタレスト)」を使って集めています。ある程度ピンをすれば、自動で類似画像が出てくるので、すごく助かっています。仕事でも重宝していますが、日常的に気になる物があったらピンをしていますね。昔は「Tumblr(タンブラー)」で調べ物をしていたんですが、デザイン系がたくさんあったのに、おもしろい画像ばかりになってしまい、調べ物としては使えなくなってしまったんです。そのタイミングで、PinterstでもGIFがアップされるようになったので、移行することにしました。当時Tumblrで、友人達と隔週で1日GIFをアップする「GIF a day」というのを更新していたんです。もともとは「JPG a day」や「PNG a day」「Motion a day」という、既存のものを真似て始めましたが、一年程続けました。これをきっかけにGIFが好きになって、今でもGIFはチェックしています。GIFだと発祥元を辿れないので、先入観なく楽しめるんです。

(Vol. 6につづく)

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