Session : Andrea Valvini

映像と音楽の対話

CONCEPT

このビジュアルは、アンドレア氏とのコラボレーションにより制作されました。

Sound from “Soleil Rouge” by Andrea Valvini.

「音」と「映像」の新しい関係

音楽にとってビジュアルとは何か?
ビジュアルデザイナーにとって音楽とは何か?

これは音の専門家と、映像の専門家が、一緒に作品を作るコラボレーションプロジェクトです。
単純に作品を合作するだけではなく、お互いの創造性や考え方を共有する事で、表層的ではない、より深いレベルでの共同制作を目指しています。

ビジュアルが聞こえ、サウンドが見えるような、新しい体験。 対話をもとに作られる作品は、これまで以上にビジュアルとサウンドが一体化したものになるでしょう。
そして、それはまだ見ぬ新しい表現の兆しとなるはずです。

またこのプロジェクトでは完成した作品だけではなく、対話も含めたプロセス全体を公開し、アーカイブしていく事を予定しています。

DIARY
PROLOGUE

音楽家とビジュアルデザイナーの対話

アンドレアの音楽を聴いたとき、なんとも言いようのない「塊」のようなものを感じたのを覚えています。
音楽に負けないようなビジュアルをと念頭に置き、アンドレアとの対話は始まりました。

ミュージシャンにとってビジュアルはどのようなものか?音楽のコンセプトは何か?といった一般的な質問から、アンドレアの持つパワーにどんどん引き込まれ、対話はぶつかり稽古のように荒々しく、激しいものとなりました。

さまざまな対話を重ね、私たちは、アンドレアがビジュアルについてとても個性的な考えを持っていることに気づきました。対話の中にほんの一瞬登場したある短い言葉が、最初の印象とも違うものでしたが、とても重要で、想像力を広げてくれる言葉でした。

ミュージシャンが音楽を表現するとき、何が見えているのでしょうか?私たちは普段、完成した音楽を聴くことが多いですが、その裏側では、もしかしたら違うものが見え、聞こえていたのかも知れません。Sesionプロジェクトの第1回は、スイスのエレクトロニカアーティスト、アンドレア・ヴァルビニ氏との濃厚な対話の中から、音楽とビジュアルの新しい関係を探ります。

長崎智宏 

Andrea Valvini(アンドレア・ヴァルビニ)

1963年にスイス・ジュネーブ生まれ。ドラマー。2000年、a.l.s.o.名義でエレクトロ・ミュージック・アーティストとしてソロ活動を開始し、クリエイティヴなアーティストの支援のため “Shin Association” を創設。2001年にはここからエレクトロ・ミュージック・フェスティバル “Elefanten-Mixtur” が生まれ、学際的なリサーチ、インターナショナルとローカルの出会い、そして調和の取れた人間関係の促進を目指している。

http://www.myspace.com/andreavalvini

Apple Store Event

今回のプロジェクトの一環として、アップルストア仙台にてwowlabとアンドレア氏の公開対談を行います。今回のコラボレーションのプロセスや、ビジュアライザーのメイキング、またアンドレア氏の独特の音作りの過程をご紹介します。公開対談では簡単なパフォーマンスもあります。

アップルストア 
仙台一番町店 5月29日 18:00〜

http://www.apple.com/jp/retail/sendaiichibancho/
INTERVIEW

wowlab
インスピレーションの源は何ですか?

Andrea
1)
人間性。そしてその歴史と可能性です。
人間はとても複雑です。例えば僕が一人の友人に会うとします。その時僕は一人の友人だけに会っているのではなく、その人の過去、家族、そして文化や経験に会っています。当たり前のような事ですが、このような出会いを僕はいつも不思議に思います。

動物は選択肢がありません。自然は全能です。しかし私たち人間は通常自分たちの行動、そして運命に責任をもって道を選び進みます。

2)関係性。
もし僕がたった一人だったら何ができたでしょうか。 誠実で進展的な関係を誰かと持つにはどうしたらいいのでしょうか?(自分自身を失う事なく)何も犠牲にぜず、心から与えることを。その限度(加減)はとてもとらえがたい。

3)空間(宇宙)とその甚大さ。

wowlab
曲のコンセプトを教えてください。

Andrea
“Soleil Rouge”のコンセプトは疑問の行動。これは私たちが熟考したときに包まれるものです。内なる動き、世界を、外の世界が滅ぼす。そして、その疑問はどうなるのか? それを知りたいとき、私たちはどこにいるのだろうか?

“Soleil Rouge”はあなたの魂にもあり、僕の歴史でもあり、逆もまた同様である。もしそうじゃなかったら?想像上での一人芝居にしかすぎないではないですか?

そして同様に距離と時間、キロメーターは確かだけど、教育や文化によって違ったりもする。概念とは内なる世界と外の世界が統一(同期)する行動をみつけること。私たちのアイデンティティを現そう。人は一人一人に役割がある。人それぞれ…

wowlab
曲のタイトルはどのようにして決めますか?

Andrea
“Soleil Rouge” とは何かがまず疑問です。その質問と彼の状況。僕にとって”Soleil Rouge”とは何か?二つのシチュエーションに分けられます。

1)一つの解釈は人生にとても影響力のあるこの二つの言葉です。行動と気力。太陽と赤色。この二つがあると、僕はじっとしてられないんです。この二つにとても強い印象を受けます。音楽に対してももっと穏やかなものを創りだしたいのに、僕の人生だからでしょうか、どうしてもグルービーになってしまうのです。

2)ひとつの証/印、国家、身元、その人の歴史、そしてそのひとの伝統への敬愛、芸術家、魂、食。なにかこう、親密で深いもの。うまく表現できないけど、だからこそ僕は音楽家なんだ。音楽とマーシャルアーツを同時に始めてから、それらをやめられない。

“Soleil Rouge”が僕を追う。 “Soleil Rouge”は一つの機会であり、一つの現在であり、そして願いである。僕はなぜ自分がここにいるのかを理解しようとしています。”Soleil Rouge”は僕の心と日本を繋ぐ架け橋です。僕の人生と価値を繋ぐまっすぐな線。

wowlab
音楽をビジュアル的に考える事はありますか?

Andrea
はい、明確に。でも、僕は視覚的な人間ではなく、知覚的な人間です。直感的というよりは僕のビジョンはもっと内面的な動きです。音楽を創っているとき、僕は心を閉ざしません。でも何が起こっているのかは認識できない。まるで、窓が全開に開いていて、そよ風が僕をどこかに連れ去っていくように。僕は白昼夢のなか、音楽と一緒にビジョンがあり、リズムがうまれ、イメージが浮かぶ。
“Soleil Rouge”と言うと僕はそれを感じ、そして僕の音楽もそこに感じます。なにも違わない、特徴も無い、だから僕はビジョンを見る人と言うよりは、ビジョンの中にいる人と答えたい。

wowlab
映像と音楽の関係をどのように考えていますか?

Andrea
今、違った分野、エナジーを持つものと共に合作し表現していく事はとても大切です。僕の場合は、僕の音楽と空間、そしてそこにビジョンがあるというありがたさへの理解です。 僕の音楽は空間が必要です。それは絵を見るときのように、それなりの空間(間隔)が必要で、それがあるから絵の良さや価値が分かるのです。飾られた絵の周りの額縁が消え、その絵に感情移入できるのです。
あまりにも近すぎる距離だと、草の緑を分析し始めるようにその絵の情緒を感じとることができない。僕の場合、ビジュアルと聴衆に感謝します。関係性とその連鎖をみると、様々なつながりから経験を得て、利益になっている。人生は短い。

映像、ビジュアルが人を誘い、音に引きつけられる、そしてビジュアルや映像は僕にとって一番の大使(使者)である。そして、僕は、自分が好きだと思える作品を見ると、そのアーティストは間違いないという自信がある。
すべてを理解しようとしなくてもいい、ただ心から一緒に仕事ができるパートナーを見つけたいと思っている。念入りなコミュニケーションは難しいものではあるけれど…

wowlab
あなたの音楽は何に影響を受けましたか?

Andrea
ありがとうと言う事。
音楽を創れる事に対して心から幸せだと思う、なぜなら、それが僕であり、音楽を心から尊敬しているから。以前は、音楽は僕にとって大切なものだと思っていた。でも、最近では音楽に感謝をしている。そして、音楽は僕の人生で何かとても大切な事を教えてくれた。 マーシャルアーツからも僕は日常的な知恵を教わり、毎日に活用している。行動なしではなにも始まらない。

音楽はパフォーマンスであり、人間の思想であり、行動である。どうしてこのような議が自分にあるのかは定かではないが、とても明確なことは確かだ。

wowlab
最近興味のある音楽的トピックスは何ですか?

Andrea
僕は、エレクトロニックミュージックイベント、 Elefanten-Mixturからスペースを提供してもらい、様々なエレクトロニックミュージックを楽しめ、IDM (インテレジェントダンスミュージック)からダンスミュージック、多様な音楽を一気に普及できる場をつくりました。
最近はビジュアルアーティストにも没頭しています。視覚、音が作用する様はとても素敵だと思います。僕が興味あることは音楽だけではなく、音楽と時代の結びつきです。

どうしたら僕の目標(音楽のキャリア)とともにアートの貴重さを密着できるのか?これは2001年から興味がある事です。でも、僕はいつでもColtrane, Varese or Jimy Hendrixを聞けるし、そこから新しい発見を何度もできる。ドラマーはいつも僕の中にいる。

エレクトロニックミュージックで最大の発見はPlastik Man。1995年に初めてミクシング(DJ)をしたときも、”A Love Suprem” (Coltrane) with Plastik Man and drums.”を流しました。
そのときの名前は”a.l.s.o” “a love suprem omnipottent”.(最高権威の愛の無限大)

wowlab
未来の音楽はどのように変化していくと思いますか?

Andrea
音楽は社会性とその必要性によって発展していくと思います。今、私たちの状況は、人間としてどう正しいバランスをとるのか。
今私たちは波を超えようとしているのだと思います。ちょっとドラムマシンに似ているかも。皆、ドラムマシンがあればドラマー(ドラムを叩くひと)はいらないと思ったけど、そうじゃない。それはそれで便利だけど…
そして、今の時代、アーティストにならなくても、ソフトウェアの知識を得る事ができる。でも十分じゃない。だからこそ、僕は新しい世代が今までの知識を活かし、科学(テクノロジー)と心の世界を混合させられると信じています。

だから、はじめて”Factory and Fantasy”を見たときに、深く同感できたのです。これだ、これが答えだと思い、そしてこれは世に伝わるべきだと。詩情あふれる人生。僕の最善を尽くして”Factory and Fantasy”を促進します。

wowlab
音楽制作にかかせないものはなんですか?

Andrea
僕は、気持ち的に論理的である必要があります。どうして自分が今このツールの前にいて、このスイッチのパワーを変えたいのかを感じる事。それがとても大切です。
そしてこれは僕だけのためではないのです。僕の創造を分かち合い、人々とそれを楽しむ事。ライブパフォーマンスに本気です。僕の創造は現実の世界で普及される必要があるのです。
演説、そして存在もまた促進される必要があります。どうしてあなたが存在するか?なぜなら、そばにいるとき(近くにいるとき)人は人間としての価値を感じることができるのです。そしてこの価値観は僕の明るいモチーフなのです。