Aphorism : Layer

Minimal Expression

 

CONCEPT
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Aphorismについて

どんなに長い小説を読んでも感じる事が出来ない衝撃を、一行の文章が表してしまう事があります。また、日本の文化である俳句や短歌などは、最小限の言葉で自然の持つ微妙な情緒すら表現してしまいます。この「Aphorism」は簡潔な映像でキーワードを表現してみようというプロジェクトです。毎週キーワードが選定され、wowlabのデザイナーはそのキーワードを即興に近い速度で映像化します。それらの映像の多くは作品というよりも、インスピレーションのかけらのようなものです。私たちはこの実験的なプロジェクトを通して、文章を書くように映像を作るという、新しい映像作りのプロセスを体感してみようと考えています。

テーマ「Layer」

第一回目のテーマは「Layer」。 辞書には「層;地層;階層」という意味が書いてあります。ブレインストーミングでは地層のような単純明快なものから、目に見えない構造的な層まで、様々な意見が交わされました。

SAMPLE

1 Year Layer

数の世界は無限。0から一つずつ数を増やしていくとしても、それには終わりがない。数はどんどん大きくなっていくだけ。また0から1の間には無限の数が存在するという事でもある。全体の大きさと、部分の大きさが無限という単位でイコールになっているとも考えられる。

日常の世界で考えてみる。たとえば1年は365日と分割される。さらに時間で分割すると365日×24時間で8760時間。分にすると525600分。こんな風にどんどん細かく無限に分割していく事が出来る。でも私たちはそんな無限の連なりを理解する事が出来ない。だから数字という区切りを使う。それはまるで無限の世界を分割する層のようなものなのかもしれない。

Mamoru Kano

Tree

一本の樹木には何枚の葉がついているのだろう。おそらくそれは数百万枚を超えるはず。それら一つ一つが太陽光を求めて様々な方向へせり出す。膨大な数の葉という小さな平面が、矛盾なく重層的に配置されている。しかしそれらは完全に日光を遮っているかというとそうでもない。

その証拠に木漏れ日が地面に落ちている。それは日本における空間の仕切り方に似ていると思うのは、私だけだろうか。障子や襖のように、遮っているようで遮っていないもの重なり。木を下から眺めていて心が休まるのはそういった理由からなのかもしれない。

Mamoru Kano

continue

「レイヤー」とはなんだろう。
普段デザインをしていてよく出てくる言葉にレイヤーがある。
でもレイヤーについて真剣に考えたことはなかった。層になっているもの、重なっているもの。なんとなくそんなイメージが頭の中にあるだけである。レイヤーとは何か、何がレイヤーなのか。

空間、時間、歴史、地球、色んなものが積み重なり層になっている。もしかしたらレイヤーは日常生活にいくつもあってとてつもなく大きな存在だったのではないか。
地層や歴史のように自然界のレイヤーは時間が止まらない限り永遠に続いて行くものなのかもしれない。

Miki Ogata

artificial flower

花は花びらが何枚か、何十枚か重なってひとつの花の形になる。 花自体がレイヤー構造をもっているのではないだろうか。 たとえば重なり合った花をたくさんあつめたらひとつの花では表現できない何かが表現できそうなきがした。

制作するうちに、たくさんの花をひとつの空間に配置する様子はいけばなのようだと思った。

Koji Murakami

Section

ある点からある点までの間を層ととらえると、レイヤーとは距離を表しているようにも考えられると思う。
例えば東京駅から目的地の八戸まで新幹線で移動すると、道のりの中にいくつか駅が存在する。

区間の距離を半径に置き換え駅と駅に線を引いてみると区間にレイヤーが出現する。 それを俯瞰から見てみると年輪のような同心円の図形があらわれる。 それはまるでタマネギの輪切りのようである。

Yusuke Mizuno

Forest

無数の木からなる森。 森は木々が複雑に重なり、独特な階層を生み出している。
風が吹くと木々が揺れ、森全体が呼吸をしているかのようである。 その呼吸する森の中にいるとじっとしていても、木々の重なりと奥行きを感じることができる。

人はものに奥行きを感じた時、生理的な心地よさを感じる。 森が人間に憩いと安らぎを与えてくれるのは、科学的な効果だけではなくその独特な奥行きを生み出す 森の”動く階層”が心地よい視覚効果を与えるくれるからかもしれない。

Kaoru Kudo

cloud

数枚の写真を重ねるだけで、なんて立体的に見えるのだろうか。まるでスカイダイビングのように、厚い雲を抜け大地に向かう視点。雲間から見える、徐々に近づく大地。

現実であればダイバーは大地に颯爽と降り立つが、カメラは雲と同じ様に大地も容易く突き抜けてしまう。 データ上では雲も大地も同じ平面でしかないからだ。

Sayaka Maruyama

The petal becomes a flower

レイヤーとはひとつの層、または層の重なりを表現するもの。 ひとつの層が意味するもの、ひとつひとつの層が重なることによって生まれてくるまた別の意味。この”The petal becomes a flower”では、花びら一枚をひとつのレイヤーとして考え、またその花びらが幾つも重なることによって花という存在になるということを表現しました。

小さい花びらが成長し大きい花びらに、やがて花びらは枯れていく、そのサイクルを現実ではありえない永遠に咲き続ける花としてアニメーションにしてみました。花びらが成長して小さくしぼんでいく様はまるで止め処なく流れる滝のように見えてきます。

Shinya Kikuchi