Study

Light Rain

Concept

降り注ぐ光の雨

いつから雨が嫌いになったのだろう? ふりそそぐ光の雨に打たれ 満たされる幻想の水に身をまかせる。 その繰り返される営みの中で ぼんやりと現われてくるのは 忘れかけていた心のざわめき。

 

映像の中に浸る

この作品は大きなインスタレーション作品です。映像を「見る」というよりも、その中に入って「遊んで」もらおうというコンセプトで企画しました。例えば、映像の中で雨が降り出したとしましょう。その雨粒は人の影にぶつかって、美しい音色とともにはじけるのです。雨以外にも水たまりができたり、水の中に星座が現れたりと、いろいろな仕掛けがあります。 カメラで撮影した映像から人物の輪郭を割り出し、映像と人の接触を処理しています。映像の輪郭を割り出すには、いろいろと方法があるのですが、今回は映像と人の明るさの差を利用しています。プログラムはProcessingというソフトウェアを使いました。OSCという通信を使って3台のコンピューターを同期させて、横幅12mという大きな画面を作り出しています。

 

Epilogue

美術館で汗をかきませんか

この作品は仙台芸術遊泳というプロジェクトへの参加作品として制作しました。最初の展示は宮城県美術館。とても大きな空間を使えそうでしたので、その空間を効果的に使えるように、なるべく作品も大きく投影することにしました。 横幅12メートルの壁いっぱいに作品を投影してみると、まるで暗闇の中に大きな水槽が現れたようにもみえました。静かに流れる音楽とあいまって、とても不思議な空間になったのではないかと思います。 来場者の方が体を動かして作品を楽しんでいる様子は、まるで水の中で泳いでいるかのよう。特に子供達はスクリーンの端から端まで全力疾走。はしゃぎながら息を切らしていました。実はこの作品、走り出したくなるように、出現するものが端から端まで大きく動きます。美術館で汗を流すというのも、たまには面白いかもしれません。と学芸員の方がおっしゃってくれたのが印象的でした。 その後、韓国のソウルデザインフェスティバルにも招待され展示しました。