Domestic Urbanism in Oroshimachi, Sendai 制作レポート

2015年12月4日から2016年2月28日にかけて中国の深セン市で開催された建築展「BI-CITY BIENNALE OF URBANISM\ARCHITECTURE」に阿部仁史アトリエ本江正茂、wowlabによるインスタレーション作品「Domestic Urbanism in Oroshimachi, Sendai」を展示しました。

本作は阿部仁史アトリエと東北大学都市・建築学専攻准教授 本江正茂氏が10年以上に渡って手がけた、宮城県仙台市卸町のまちづくりと、卸町の50年の歴史を扱ったデータビジュアライゼーション作品です。ジョグダイアル一つだけのシンプルなインタフェースで年代ごとの街の様子や重要なイベントなど知ることができます。今回は作品のユニークな制作プロセスをお伝えします。

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「卸町」は1965年に流通の高度化・効率化を目的として仙台市郊外につくられた日本でも最大規模の流通団地です。当初は仙台市内の卸売業者を集約した、流通の単一機能の街でしたオイルショック以降は社会の変化に呼応し卸と文化・居住が共存する混合用途の街へと変化していきました。現在では既存の倉庫空間を生かしたリノベーションによる文化拠点が多く開設され、それらを利用した音楽や演劇・アート・デザインなどの活動が多く展開される活気あふれる街となっています。

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プロジェクトは卸町ツアーと称してこの卸町を回ることから始まりました。はじめに阿部仁史アトリエを訪れ街の変遷とまちづくりのレクチャーを受けた後、本江のガイドで街の特徴的な場所を回りました。自分たちの足で実際に街を回ることで街の構造や人、雰囲気などが実感をもって見えてきました

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続いてこれまでのまちづくりと卸町の協同組合の所有する街の創設から現在までのさまざまな資料を確認しました。本作では仙台卸商センターと本江研究室の協力を得て資料の収集を行い、アプリケーションで利用しやすい形整理ました。最終的に各会社の業種(アイコン)、街に入ってきた時期、街の外に移った時期、イベントの場所や様子、年ごとのイベント数(街の盛り上がり具合)などの情報表現に利用しました

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まちづくりにおいて、特に重要なシーンの説明では映像利用ています。インフォグラフィックスを用いた映像を挿入することで、街の成り立ちやまちづくりのコンセプト、規制緩和などの施策を、込み入った説明なしに鑑賞者に伝えることを目指しました。

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ジョグダイアルを回して年代変化させるその年の文化活動の数に応じて流れる音もリアルタイムに変化していきます。街の空気を感じてもらう上で音は魅力的な要素だと初日のツアーで感じられたため、現地で音を収録し音楽の素材として用いることにしました。朝の箒掃除、ラジオ体操、神社の鐘、噴水、そして資材を運ぶトラックの音など、卸業を象徴するさまざまな音が街の雰囲気を伝えています。

実際のデータに即したビジュアライゼーションをインタラクティブ、インフォグラフィックスといったキーワードとに一つの作品とすることはWOWにとっても一つの挑戦でした多くの方に協力いただき手応えのある作品になり今後のさまざまなインフォメーション系コンテンツにもかされていきそうです。

※今回のチームでの関連作品として「MEGAHOUSE」があります。是非ご覧ください