Smart Canvas WOW 工場と遊園地 レポート1 (全3回)

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Smart Canvas「WOW 工場と遊園地」モデルは、エプソンのEPDパネルという最新技術とWOWの想像力が融合して生まれたプロダクトです。2010年に東京ミッドタウンにて開催された「SMART CANVAS ×8 ”時って何だろう?” 8人のクリエイターによる、 新しい時の感じ方。」で行われたインスタレーションがきっかけとなり、3年の時を経て商品化されました。商品化にあたり、時計として必要な機能やさらに進んだ表現の実現方法を、セイコーエプソンとともに試行錯誤を行いました。表示部に電子ペーパー表示技術が採用され、従来の文字板とは異なり300dpiの繊細なグラフィックによって時を伝えるリストウェアとなっています。電子ペーパー技術を利用することで、針からも数字からも開放された新しい表現が可能となり、WOWは「時間」という概念をどのようにビジュアルとして表現できるのか、検討を重ねました。
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Smart Canvas シリーズには「時感旅行」という共通のコンセプトがあります。Smart Canvasを眺めると特別な時の世界へいざなってくれる、そんな製品を目指す必要がありました。制作にあたり、WOWではいくつかの案の中からオリジナル作品「工場と遊園地」の世界観を採用しました。作品が持つ影を主とした世界観は電子ペーパーのモノクローム表現と非常に相性が良かったのです。空想世界と緻密な工場風景をモチーフとし、街の中央にそびえる時計塔を中心としてそこに生きる人々を描きました。工場と空想の街が重なったシルエットの世界は、まるで奥へ奥へ連なっているような空間の広がりを連想させます。表示部を小さな窓に見立て、工場と遊園地の世界を覗きこんでいるような表現を目指しました。
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腕時計サイズの画面は、これまでWOWが数多く手がけてきた中で最も小さな画面内のデザインでした。さらに電子ペーパーの製品というあまり例のないプラットフォームでの表現には様々な困難がありました。しかし、パネルの映像が動く新しさや、画面が切り替わるタイミング、小さな画面の中で見える映像の奥行きなど、プログラマーと直接やり取りを重ね検討を続けました。デザイナーとプログラマー双方にとってベストな解を探し続け根気強くやりとりを行ったことで、ビジュアルから時刻を感じてもらうための表現を詰め込むことが可能となりました。本モデルには、世界観を最大限楽しめる「工場と遊園地モード」、シンプルに時間を確認できる「時刻表示モード」、文字方向の切り替えや温度計機能が使える「デスクトップモード」の3つのモードが搭載されました。

EPD Wrist Wear “Smart Canvas”

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「工場と遊園地モード」は、従来の時計のように文字板で時刻を確認するのではなく、グラフィックにより流れていく時を感じることに挑戦しています。電子ペーパーであることを活かし、画面全体を自由に使って景色が変化し続けるようにしました。通常の1日で流れていく街の風景のほか、1年に1度、特別な日にだけ見ることができるグラフィックを数多く盛り込むことによって新たな発見ができるようになっています。また、表示部のデザインのみで完結するのではなく、バンドのエリアも連なった領域としてデザインに取り込みました。表示部から伸びる一本の線とバンドに描かれた線がつながることで、空間的広がりを持たせています。人の手首に巻く、人に寄りそったモノで表現を届けられるという意味では、WOWにとっても新たな挑戦でした。
wowlabではこのSmart Canvas をプロセス・デザインの2回に分けて紹介していきます。リニューアルしたwowlabウェブサイトでは、このような作品のプロセスを伝えるような連載を定期的に配信していく予定です。ぜひご覧ください。